
ピロリ菌は胃の中に好んで住み着き、胃の壁を傷つける細菌です。主に幼少期に感染し、感染経路は「衛生環境」が疑われていますが、はっきりとはしていません。
感染したからといって、潰瘍や胃がんが必ず発症するわけではありません。しかし、感染したほとんどの人に胃炎が起こります。慢性的な胃炎(ヘリコバクターピロリ感染胃炎)になると、環境因子(ストレス、塩分多い食事、発がん物質など)の攻撃を受けやすくなり、潰瘍や胃がんを起こしやすい下地を作ってしまいます。
日本人の調査において、ピロリ菌感染と、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の発生・再発および胃がん発生との関係や、ピロリ菌除菌による潰瘍の再発抑制および胃がん予防効果が報告されています。
① ピロリ菌感染検査を受けた方がよい方
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の経験または再発する方
- 胃炎の方(内視鏡検査で)
- 胃MALTリンパ腫の方
- 特発性血小板減少性紫斑病の方
- 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の方
この他に、胃がん家系でご心配な方、なんとなく胃の具合がいつも悪い方などご相談ください。
② ピロリ菌を調べる方法(当院では赤字の検査を行っています)
内視鏡を使う方法:いずれも「保険診療」で実施できます
鏡検法・培養法・ウレアーゼ試験
内視鏡を使わない方法:内視鏡検査を受けない場合は「自費」になります
抗体検査(血液・尿)・尿素呼気(吐きだした息)テスト・便中抗原測定
<除菌治療の薬剤費用>:2024年現在
1次除菌・2次除菌;各¥3,500 (詳しくはお問い合わせください)
③ ピロリ菌除菌療法:当院では、ピロリ菌感染が確認された方には除菌療法をお勧めしています。除菌療法の必要性や、詳しい方法については是非ご相談ください。
特に、以下の方は「
保険診療」で実施できます
- 内視鏡(または造影)検査で胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された方
- 内視鏡検査で胃炎と診断された方
- 胃MALTリンパ腫の方
- 特発性血小板減少性紫斑病の方
- 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の方