フルミスト®は鼻の中に噴霧するタイプのインフルエンザ生ワクチンです。
2024年の承認を受けて、当院でも2024シーズンから使用しています。
概説および当院での対応を以下に示します。
予約方法や費用、予診票などは当院HPや予約システム内をご参照ください。

<期待できること>
1)インフルエンザウイルスの侵入口である鼻の粘膜に生ワクチンを噴霧するので、鼻粘膜において直接的に免疫を誘導(気道分泌型IgA抗体)します。そして、同時に、従来の注射インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)と同様に血液内にも免疫を誘導(IgG抗体)させるので、インフルエンザ発症や重症化を軽減する効果が期待できます。
また、生きたウイルスで免疫を誘導(抗原特異的T細胞応答)するため、実際の流行株がワクチン株と異なっても発症を軽減する効果もわかっています。
2)従来の注射インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)とは現在のところ同等の効果です。
「フルミスト®」は特に乳幼児では有効性が高いとされています。
3)効果の持続期間は注射インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)より長めとされています。
4)注射ではないので、痛い!怖い!を避けることができます。
5)1回の両側鼻噴霧で完結します。
<接種前にお伝えしたいこと>
1) 対象年齢:2歳~19歳未満
注射に恐怖心を感じやすい低年齢のお子さんを優先的に実施したいので、当院では2歳~18歳未満の方を対象とします。
2) 一般的な副反応は以下の通りですが、安全性に重大な懸念は認められていないと評価されています。
鼻炎(40-50%) 咽頭痛(5-10%) 発熱(10%) 頭痛(3-9%)
3)接種後1-2週間は飛沫や接触でインフルエンザウイルスを伝播する可能性があります。
4)接種後しばらくの間は、インフルエンザウイルスの検査を受けた場合に「陽性」反応が出る可能性があります。
5)他の生ワクチンとの接種間隔
接種間隔の制限はありませんが、発熱などの副反応を考慮して、当院では1週間以上間隔をあけることを勧めています。
<接種できない方および注射インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)をお勧めしたい方>
・2歳未満、19歳以上・アスピリンを内服中・妊娠中あるいはその疑いがある(生ワクチン接種後2カ月間は妊娠しないようにする)・喘息の治療中(2024年日本小児科学会は推奨していません)・重症の鶏卵アレルギー・ゼラチンアレルギー・心臓血管系、腎臓、肝臓、血液、発育障害などの基礎疾患がある・重度のけいれん既往・免疫不全の診断や近親者に先天性免疫不全症がいる・重度の免疫不全者や新生児/早期乳児との同居や看護をしている。
当院では、健康状態及び体質・既往疾患を勘案してフルミスト®適否の判断を慎重に行います。
フルミスト®の効用や副反応などについて、ご理解、ご同意を得て接種します。
したがって、ご希望があっても接種出来ないこともあることをご承知おきください。
「フルミスト®」説明リーフレットは
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